疲労回復注射・にんにく注射

にんにく注射はにんにくを注射するわけではありません。ビタミンB群のビタミンの注射となります。注射時ににんにくのような強烈なにおいの感覚が起きるためにんにく注射と呼ばれるようになりました。(実際ににおいは出ていません。)


ビタミンB群は生きるためためのエネルギーを作るのに欠かせない補酵素として働きます。体を動かすエネルギーは食品から摂取したブドウ糖がTCA回路に入ることで生成されます。また、疲労や筋肉痛、肩こりなどの原因となる乳酸をへらすためにも必要となります。そのため、ビタミンB群が不足すると糖質からエネルギーを作り出せなくなるだけでなく、疲労もとれにくく、元気がでず、疲れやすくなってしまいます。

また、脳内のGABA、L―ドーパ、ドーパミン、ノルアドレナリンの産生に関与するため心にも効果的です。

適応

  • 慢性疲労
  • 肩こり
  • よく寝ているのに疲れがとれない方
  • 夏バテ
  • だるさがなかなか抜けない方
  • 二日酔いの方や肝臓が弱っている方
  • 風邪をひきやすい方
  • タバコをよく吸う方
  • ストレスの多い方
  • 口内炎
  • 口角炎
  • 不眠

成分

ビタミンB1

ビタミンB1は糖質を分解しエネルギーに変えるのに必要です。

また、疲労を引き起こす乳酸を退社するのにも必要です。

アルコール代謝にも関与しています。

脳や神経の働きを正常に保つためにも必要です。

不足による症状

  • 肩こり
  • 筋肉痛
  • 疲労
  • アルコール中毒
  • 脚気
  • 食欲不振
  • 集中力低下
  • 神経炎
  • ウェルニッケ脳症

ビタミンB2

ビタミンB2は脂質をしエネルギーに変えるのに必要です。。
過酸化脂質の代謝にも関与し、肌での新陳代謝、皮脂コントロールにも有用です。
また、粘膜の代謝にも関与し、口内炎、口角炎の治療にも使用されます。

脂質、肌だけでなく、肝、脳の働きにも関与します。

不足による症状

  • 皮膚炎
  • 口内炎、口角炎
  • 肝機能低下
  • にきび

ビタミンB3(ナイアシン)

ビタミンB3(ナイアシン)は他のB群と共にエネルギー産生に関わります。
皮膚、粘膜の代謝に必要なだけでなく、神経系にもひつような酵素素です。

不足による症状

  • イライラ・不安
  • 精神症状
  • 皮膚炎
  • 舌炎
  • 胃腸障害
  • ベラグラ

ビタミンB5(パントテン酸)

ビタミンB5(パントテン酸)は脂質,糖質、タンパク質の代謝に関わります。
皮膚や毛根に栄養を与えるのにも必要となります。

また、副腎皮質の機能の正常化にも必要です。

不足による症状

  • うつ
  • 性腺機能低下
  • 麻痺症状
  • 皮膚炎

ビタミンB6

ビタミンB6はタンパクの合成や造血に関与します。

脂質の抗酸化作用をもち、動脈硬化の予防や抗アレルギー作用に関わります。

粘膜の機能正常化や皮脂のコントロールにも関与します。

腸内で合成されるため、長期の抗菌薬の使用等の場合、腸内の細菌バランスが崩れ、不足になりがちです。

不足による症状

  • かゆみ
  • 皮膚炎
  • 貧血
  • 食欲不振
  • インスリン分泌低下

ビタミンB12+葉酸

ビタミンB12と葉酸は、神経障害を抑え、正常な働きを維持するのに必要となります。

また、ヘモグロビン、赤血球など造血に関しても作用します。

脳の発育を助ける作用もあります。

不足による症状

  • 悪性貧血
  • 成長障害
  • 神経障害
  • 学習能力の低下
  • 舌炎

ビタミンC(L-アスコルビン酸)

ビタミンC(L-アスコルビン酸)は、コラーゲン生成、免疫力の増加、ステロイドホルモンの合成、鉄の吸収促進、肝での解毒作用のサポート、メラニン生成の阻害などたくさんの効果を有しています。また、抗酸化作用をもちサビ取りの役割も果たします。また、余分な脂肪の燃焼のために必要なカルニチンの生成にもビタミンCは必要となります。

不足による症状

  • 壊血病
  • しわ
  • 創傷治癒遅延
  • 免疫力低下
  • ストレス
  • 貧血
  • しみ

リスク

疲労回復注射・にんにく注射の副作用として、頭痛や吐き気、血管痛などが出る場合があります。また、0.1%未満の確率で、ショックを起こす場合もあります。

詳しくは診察時に、医師にご相談ください。