・脱毛症とは
髪の毛は通常一定のサイクルに従って生え変わっています。
しかし何らかの原因でその周期が乱れたり、抜けたあとに生えてこなくなったりすると抜ける毛髪の割合が増加してしまいます。この状態が「脱毛症」です。
一口に脱毛症と言ってもその原因はさまざまで、ストレスや皮膚疾患、ホルモンなど多岐にわたります。
・症状
脱毛症は数多くの種類があります。その中でも代表的なものを紹介します。
①男性型脱毛症(AGA)
男性型脱毛症は男性ホルモンの影響による薄毛で、成人男性によく見られる症状です。
額の生え際と頭頂部のいずれかあるいは両方が薄くなっていきます。
②女性型脱毛症(FAGA)
こちらもAGAと同じく原因は男性ホルモンです。
AGAとは異なり、額の生え際から薄くなることは稀で、頭頂部での薄毛が目立ったり、全体的に髪が細くなったりといった特徴があります。
③円形脱毛症
円形脱毛症は毛根が炎症によって破壊されることで引き起こされます。
コインのような円形状の脱毛が起こることが特徴です。重症化すると円が大きくなったり、いくつもの円ができたりします。
また、毛髪だけではなく全身の毛に広がることもあるようです。
・原因
①男性型脱毛症
男性型脱毛症の原因となるのはDHTと呼ばれる男性ホルモンだと言われています。
このホルモンが影響することで、通常2~6年ほど伸び続ける髪の毛が数ヶ月で抜けてしまい、薄毛の状態を引き起こします。
②女性型脱毛症
女性型脱毛症も男性ホルモンが原因です。
もともと、女性にも一定量の男性ホルモンが体内にあるのですが、女性ホルモンによってその働きは抑えられています。
しかし、加齢などによって女性ホルモンの量が減ると男性ホルモンの影響が強くなり、薄毛を引き起こします。
③円形脱毛症
上でも述べたように円形脱毛症は毛根が炎症によって破壊されることで引き起こされます。
しかし、なぜ毛根に炎症が起きるのかその根本的な原因ははっきりと解明されてはいません。
一説では本来自分を守るはずの免疫機能がストレスなどで誤作動を起こし、毛根の細胞を攻撃してしまうからではないかと言われています。
・治療
①男性型脱毛症(AGA)・女性型脱毛症
男性型脱毛症や女性型脱毛症などの場合は男性ホルモンの働きを抑えるAGA治療薬の服用が一般的です。代表的な薬としてはフィナステリドやミノキシジルといったものがあります。
フィナステリドはAGAの原因となるDHTの発生を抑えることで、抜け毛を抑制します。
一方ミノキシジルはもともとは血管を拡張する薬として使われていましたが、後に発毛効果を認められ、新しく毛を生やし薄毛を改善する意味で使用されます。
ただし、フィナステリドは女性が使用すると胎児に影響が出る恐れがあるため、服用できません。
②円形脱毛症
円形脱毛症は症状が軽いものであれば、自然治癒するケースも多いです。
しかし、脱毛部分の炎症が強かったり範囲が広かったりしたときなどは、炎症を止めるための処置が必要となります。
その場合は、ステロイドの局所注射や外用薬の処方などが行われます。