目鼻立ちと同じくらい顔の印象を左右するのがほくろやいぼです。
ほくろは先天性のものと、生活習慣の乱れや肌への強い刺激、強い紫外線を受け続けることによって
作られる後天性のものがあります。
いぼは後天性のもので、傷口から入り込むウィルス感染症によって作られます。
ほくろやいぼが顔の目立つところにできてしまい、気になってしまったり、衣服の着脱時に擦れて痛いなど、
日常生活に支障をきたすと長年のストレスになってしまいます。
また、ほくろやいぼは皮膚悪性腫瘍(メラノーマ)である場合がまれにあります。
ほくろができる原因とは
ほくろとは、医学的には色素性母斑、母斑細胞母斑と呼ばれます。
皮膚にメラノサイト(色素細胞)に似た良性の母斑細胞が集まることにより生じます。
母斑細胞はメラニン色素をもつため、母斑細胞の分布・位置や量によって褐色~茶色~黒色の色となり、
しみのようなたいらな色素斑から隆起した病変など、さまざまな色調および形状をとります。
成長の過程で学童期から思春期以降に出現してくるもの(後天性色素性母斑)と、
生まれつきあるもの(先天性色素性母斑)があります。
ほくろの種類・特徴
茶色や黒色、盛り上がっていたりなかったりと、色や形状もさまざまで、
顔・腕や足・頭など皮膚のあらゆる場所にできます。
深さもさまざまで、表皮と真皮の境目部分だけにできるほくろや、より深い真皮の中だけにできるほくろ、
その両方にできるほくろもあります。
また、見た目がほくろとよく似ている「悪性黒色腫(メラノーマ)」は、
ほくろ・いぼ除去法とは、炭酸ガスレーザー(Co2レーザー)やメスを使い、
ほくろ・いぼの原因となる組織を取り除く治療法です。ほくろ・いぼの場所や大きさなどにより
切除の方がよい場合やレーザーの方がよい場合などがございます。
状態や患者さまのライフスタイルに合わせて、
形成外科医が治療後の傷跡にも配慮し仕上がりの美しさにこだわって治療法をご提案します。1.切除法 (保険診療)
2.レーザー (自費診療)
3.くり抜き法 (保険診療)
4.冷凍凝固療法、液体窒素 (保険診療)
5.その他(植皮、皮弁形成等) (保険診療)
向いている方
- 目立つところにほくろ・いぼがあるので気になる
- 大きいほくろをファンデーションで隠しきれない
- ほくろのせいで夏場でも肌を露出することができない
- 美肌感をアップしたい
- ほくろに引っかかり痛みや血が出るまど日常生活へ支障がある
施術内容の詳細
1,切除法(保険診療)
切除法は、メスを用いて脂肪組織の深い部分まで切り取り、ほくろを除去する方法です。
利点
- ほくろの表面だけではなく、色素が定着している深い組織の部分まで取り切ることが出来るため、
再発のリスクが低く病理検査も同時に行うことが出来る治療です。
欠点
- メスで切開してほくろを切り取るため、糸で縫合する必要があります。
また、切った部分はケロイドや傷跡が目立ってしまう可能性があります。
手術 | 局所麻酔で行います。 |
抜糸 | 5~7日 大きさにもよりますが5分前後です。 |
術後の通院 |
1週間後、1か月後
病理提出をしている場合、1か月後の診察で病理結果説明を行います。
|
2,レーザー(CO2レーザー、炭酸ガスレーザー) (自費診療)
水に対して吸収される医療用の炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)「アキュパルス」を使用します。
炭酸ガスレーザーとは、エネルギーはほぼ皮膚表面で吸収され、周辺組織への影響を少なく抑えつつ、
照射部位の細胞内水分を一気に気化・蒸散させ細胞を破壊し、同時に周辺を凝固させ止血も出来るので
様々な治療に使用されます。
また、炭酸ガスレーザーに似た電気焼灼法という電気メスの高周波電流によって
ほくろやいぼを焼灼して除去する治療法があります。
色素沈着や傷跡の凹みを生じるリスクが高い治療とも言えます。
利点
- アキュパルスでは、フォーカスビームで瞬時にスキャンすることにより、
熱による周辺組織へのダメージを抑え、迅速かつ確実に組織の回復を
図ることができます。また、きわめて薄い蒸散により照射部位に応じた一層毎の
正確な蒸散コントロールが可能です。エネルギー密度が低い場合は蛋白凝固や熱変性により、
照射部位の止血を行うこともできます。ほくろやいぼ、脂漏性角化症、脂腺増殖、皮膚の凹凸、
瘢痕、傷跡などの治療に使用します。
欠点
- 場所や体質によって傷がケロイド状になることがあります。(深めに削ってしまうと、
特に胸・肩・上腕・膝など、ケロイドの好発部位はケロイド状になってしまうことがある。
またケロイド体質の人も同様。)また、症状によっては治療回数が数回かかることがあります。
(一回で治療をしようとすると、ほくろの原因である母斑細胞や刺青が深くまである場合、
深く削ってしまうと凹みが治らなかったり、場所や体質によってはケロイド状になったりすることがある。)
レーザー処置 | 局所麻酔で行います。 大きさにもよりますが、1箇所5分程度です。 |
抜糸 | ありません。 |
術後の通院 | 14日目 術後14日目まで軟膏+テープの処置を毎日していただきます。 |
その他 | テープ保護終了後、創部が落ち着くまでは 摩擦、乾燥、紫外線対策に気をつけていただきます。 |
3,くり抜き法
くり抜き法は、メスを用いて、ほくろを円柱状にくり抜く方法です。
くり抜いた部分は、皮膚に穴が開いた状態ですが、通常では縫合せず、
自然に治るのを待ちます。
但し、大きいほくろをくり抜いた場合、傷が治るのの時間がかかるため
巾着のように糸をかけて絞り、穴を小さくしておくこともあります。
手軽な方法ではありますが、当院では形成外科医が施術を担当しますので、
より傷跡が目立ちにくく組織の取り残しがない切除法で基本的には手術を行っています。
利点
- 小さいものであれば傷跡が目立ちにくく、縫合しないため抜糸の必要がありません。
また、切除法ではゆがみによる変形が生じやすい鼻などの部分は、大きさによっては
くり抜き法が適しています。
欠点
- 深い部分までくり抜くため、傷跡が凹んだり、ケロイド様に目立つ可能性があります。
その他・テープ保護終了後、創部が落ち着くまでは摩擦、乾燥、紫外線対策に気をつけていただきます。
手術 | 局所麻酔で行います。 大きさにもよりますが、1箇所10分程度です。 |
抜糸 | ありません。 大きさによっては縫合し、5~7日後に抜糸が必要な場合があります。 |
術後の通院 |
14日目
術後14日目まで軟膏+テープの処置を毎日していただきます。
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その他 |
テープ保護終了後、創部が落ち着くまでは摩擦、乾燥、
紫外線対策に気をつけていただきます。
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4,冷凍凝固療法、液体窒素 (保険診療)
冷凍凝固は皮膚のできものに-196度の液体窒素を当てて凍傷を起こし、できものを壊して取り除く治療です。
冷凍凝固治療後は時間とともにできものが壊れ、かさぶたになって剥がれ落ちます。
ウイルス性イボの治療として行いますが、ほかにも首イボ(アクロコルドン、スキンタグ)や
老人性イボ(脂漏性角化症)などに使われる治療です。
当院ではスプレータイプに機械を用いて液体窒素の治療を行います。
場所や大きさによっては綿棒やピンセットによる冷凍凝固を選択し、患者さまの症状に適した治療を行います。
2週間〜1か月に1回ほどの間隔で治療を繰り返します。液体窒素を強く当てると治りは早いのですが、
その分痛みが強く、水ぶくれの症状なども強く出ますので、反応をみながら治療します。
利点
- メスを用いないため、抜糸やテープなど保護の必要がありません。
欠点
- できものの種類によっては回数が必要です。
また、液体窒素でいぼ(できもの)を含めた皮膚にダメージを与えたことで、水ぶくれ・血豆・
痛みなどの症状がみられます。液体窒素後の症状は、通常2、3日前後で徐々に治まることが
ほとんどですが1週間程度続く場合があります。液体窒素をした部分は色素沈着のリスクがあります。
液体窒素置 | 局所麻酔などの麻酔は使用せずに行います。 大きさにもよりますが、1~2分程度です。 |
抜糸 | ありません。 |
術後の通院 |
2週間〜1か月
|
その他 | 水ぶくれなどが出来た場合、 ガーゼ等で保護して頂くことがあります。 |
5,その他(植皮、皮弁形成等)(保険診療)
数mm以上の場合は紡錘形に切除して縫い合わせる方法が一般的な治療法ですが、
さらに大きい場合は、2、3回に分けて少しずつ切り取って縫い寄せる方法もあります。
指や関節部分などの縫い寄せるのが難しい部位、大きさなどによっては、
周囲の皮膚を移動(局所皮弁)して傷をふさぐこともあります。局所皮弁でふさぐことができない場合は、
皮膚移植(植皮)をすることがあります。
利点
- 切除法が適応にならない部分も切除することが出来ます。
欠点
- 移植した皮膚と周囲の皮膚とは少し色合いが異なるので手術後の整容性はやや劣ります。
また、生着が悪い場合、火傷跡のように目立ったり、再度手術が必要になることがあります。
手術 | 局所麻酔で行います。 大きさにもよりますが30~60分前後です。 |
抜糸 | 7~14日 |
術後の通院 | 1週間後、1か月後 病理提出をしている場合、1か月後の診察で病理結果説明を行います。 |
治療の流れ ( カウンセリング~治療後まで )
患者さまのライフスタイルや、ほくろ・いぼの状態やお悩みに沿って適切な治療法をご提案します。
不安やご不明点が解消されるまで丁寧にご説明いたします。
わからない事、疑問点などございましたらどんな些細な事でも気軽にお聞きください。
2.手術前の検査
切除法、くり抜き法、その他(植皮、皮弁形成等)の治療の場合、感染症等の有無を血液検査によって確認します。
手術日の1週間前までに血液検査を済ませてください。
3.局所麻酔
除去範囲に局所麻酔の注射を行ってから手術を行います。
4.施術
麻酔が効いていることを確認し、除去していきます。
除去した部分は、軟膏及びテープ処置を行います。治療は大きさによりますが数分~15分程度で終了します。
5.アフターケア
縫合した場合、5~7日後に抜糸を行います。
1か月再診までは、傷の部分はテープで保護をします。
病理検査の結果説明、傷跡の経過を確認するため、手術から1か月後に来院してください。
傷の治りによっては、飲み薬や貼り薬、注射等の治療を行います。
また、術後の生活の心配などもしっかりとサポートやアドバイスいたしますので、まずはお気軽にお尋ねください。
当院の特徴
治療後の傷跡にも配慮し仕上がりの美しさにこだわって、形成外科医が全て治療を担当いたします。
料金
1,切除(保険適用となります)
皮膚皮下腫瘍 2cm未満 露出部 | 3割負担の場合約8000円 |
皮膚皮下腫瘍 3cm未満 非露出部 | 3割負担の場合約7000円 |
※大きさ、個数によりご料金は変わります。
2,レーザー(保険適用外となります)
1mm | 3000円 |
3,くり抜き法(保険適用となります)
皮膚皮下腫瘍 2cm未満 露出部 | 3割負担の場合約8000円 |
皮膚皮下腫瘍 3cm未満 非露出部 | 3割負担の場合約7000円 |
4,冷凍凝固療法、液体窒素
いぼ冷凍凝固法 | 3箇所以下 | 3割負担の場合630円 |
4箇所以上 | 3割負担の場合780円 |
5,その他(植皮、皮弁形成等) (保険適用となります)
皮弁形成 25平方センチメートル未満 | 3割負担の場合約13500円 |
全層植皮 25平方センチメートル未満 | 3割り負担の場合約30000円 |
※施術により異なります
よくある質問
Q、治療後に傷跡は残りますか?
A、どの施術も無傷ではありません。
切除したいイボ・ほくろの状態により、傷跡が残りにくく目立ちにくい施術方法をご提案します。
組織上は傷が残っていても、見た目上は分からないこともあります。
Q、どのくらいの期間で除去した跡が目立たなくなりますか?
A、除去するイボ・ほくろの大きさにもよりますが、フラットな状態であれば1~3ヶ月経過したあたりで
目立たなくなってきます。膨らみがある状態であれば3~6ヶ月程度の時間がかかる場合があります。
症状や体質などでf個人差がありますので、まずはご相談ください。
Q、1日にいくつくらい除去できますか?
A、大きさや除去する場所によっても除去可能な個数は変動しますが、
患者さまのご負担を一番に考えながら施術をすすめてまいります。
Q、再発のリスクはありますか?
A、 Co2レーザーの場合、皮膚が凹まないように削っていきますので、ものによっては再発のリスクがあります。
再発した場合、3か月程度期間を空けて頂ければ再度治療が可能です。但し、料金は再度発生いたします。
切除法の場合、肉眼的に確認を行いながら切除していきますので、基本的には再発は起こりません。
但し、細胞レベルで組織が残っていた場合、再発する可能性があります。
Q、施術後に気をつけることはありますか?
A、施術後は患部が刺激に弱い状態となっています。日焼け止めを塗る、帽子や日傘を活用するなど、
紫外線対策を十分に行ってください。また、赤みが残っている間は、色素沈着のリスクがありますので
乾燥や摩擦にも注意をしてください。
Q、施術後に傷が赤く盛り上がっていますが大丈夫ですか?
A、施術後1~3か月は赤みや盛り上がりが続きますが、徐々に治まっていきます。
3~6か月以上経っても赤みや盛り上がりが引かない場合はケロイドの兆候です。
飲み薬や貼り薬、注射などでケロイドの治療を行います。心配な症状がある場合は、早めにご相談ください。
Q、ほくろ除去クリームでほくろを取ることは出来ますか?
A、ご自身でほくろ・いぼ・しみを除去出来る海外製のクリームがあります。
こういった商品を皮膚に使用したことで、化学熱傷や壊死を伴う潰瘍などの健康被害の報告があり、
厚生労働省より注意喚起が行われています。ほくろ除去は医師による適切な判断のもとで行われる医療行為す。
通常、医療機関では強アルカリ性のもので皮膚を腐食させてほくろを取ることはありません。
ほくろ・いぼ・しみなどについて悩みがあるときは、まず医療機関を受診し、医師に相談しましょう。
Q、ダーモスコピー検査とは何ですか?
A、ダーモスコピーとは、ライトがついた拡大鏡のような診療器具です。
これを使用することにより、痛みを伴うことなく皮膚病変の表面を拡大して詳しく観察し、
より正確な診断が可能となります。健康保険も適用される検査です(自己負担額は数百円程度)。
ほくろやしみをダーモスコピーで観察すると、皮膚表面の色素の状態が詳しく診察でき、
その色調や色素のパターン、分布などから、メラノーマと色素性良性疾患
(ほくろ、しみ、血まめ、他の皮膚良性腫瘍など)を正確に診断できる確率が高くなります。
この検査は現在広く普及しており、メラノーマの早期発見・早期治療に繋がっています。
但し、全てがダーモスコピーで正確な診断が出来る訳ではありません。確定診断を行うには、
組織を取り病理検査で調べる必要があります。
症例写真
CO2レーザー(炭酸ガスレーザー)
性別 | 女性 |
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年齢 | 20代 |
施術名 | CO2レーザー(炭酸ガスレーザー) |
施術日 | 2022年 |
施術ドクター | 内田 |
治療概要 | 上:before
下:after 施術後3か月 ほくろのある部分を炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)で削る治療を行いました。 削った部分の傷跡は2週間かけて新しい皮膚を作り、傷跡が目立ちにくくなるまでに3~6か月程度かかります。 |
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施術費用 | 1mmあたり ¥3,300(税込)
テープ代 ¥440 お薬代込み |
副作用・リスク | 赤み・瘡蓋:2週間程度
再発・ケロイド・色素沈着・凹みのリスク |
ほくろ切除
性別 | 男性 |
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年齢 | 20代 |
施術名 | ほくろ切除 |
施術日 | 2022年 |
施術ドクター | 内田 |
治療概要 | 上:before
下:after 手術1か月後 徐々に大きくなってきたほくろを メスを用いて切除しました。取り切ることで、病理検査を同時に行い悪いものではないか調べました。 1週間後に抜糸、1か月後に病理検査結果の説明となります。 |
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施術費用 | 皮膚皮下腫瘍【保険診療】
露出部2cm未満 約¥8,000 |
副作用・リスク | 腫れ・内出血:数日
傷跡が目立つ・ケロイドのリスク |
ほくろ切除
性別 | 女性 |
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年齢 | 20代 |
施術名 | ほくろ切除(皮膚腫瘍切除術) |
施術日 | 2024年 |
施術ドクター | 内田 |
治療概要 | 左:before
右:after 手術直後 徐々に大きくなってきたほくろを メスを用いて切除しました。取り切ることで、病理検査を同時に行い悪いものではないか調べました。 1週間後に抜糸、1か月後に病理検査結果の説明となります。 |
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施術費用 | 皮膚皮下腫瘍【保険診療】
露出部2cm未満 約¥8,000 |
副作用・リスク | 腫れ・内出血:数日
傷跡が目立つ・ケロイドのリスク |